セルビア社会党(読み)セルビアしゃかいとう(英語表記)Socijalistička Partija Srbije:SPS

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セルビア社会党」の意味・わかりやすい解説

セルビア社会党
セルビアしゃかいとう
Socijalistička Partija Srbije:SPS

セルビア政党ユーゴスラビア時代の 1990年共産主義者同盟が分裂したのに伴い,セルビアを中心とする保守派が党名を改称して設立。同年のセルビア共和国モンテネグロ共和国の自由選挙で第一党となり,セルビア大統領選挙ではスロボダン・ミロシェビッチ党首が当選。セルビアとモンテネグロによるユーゴスラビア連邦 (新ユーゴスラビア) 成立後の 1992年5月の連邦議会選挙ではセルビアで 68%の票を獲得した。一方,12月のセルビア共和国大統領選挙ではミロシェビッチが再選されたが,同時に行なわれた議会選挙ではボイスラフ・シェシェリを党首とするセルビア急進党など民族主義政党の台頭過半数に達しなかった。その後ミロシェビッチは権力強化をはかり,反政府勢力との対立を深めた。 1997年7月ミロシェビッチはユーゴスラビア連邦大統領に選出され,同年9月のセルビア議会選挙で社会党を含む与党左翼連合で第一党を占めた。しかし 2000年9月の連邦大統領選挙で,再選をねらうミロシェビッチ大統領とボイスラフ・コシュトニツァ候補を擁立する民主党,セルビア民主党ら 17党からなる野党連合 DOSが開票結果をめぐって対立,さらに大統領退陣を求める市民の抗議行動に発展し,ミロシェビッチ大統領は退陣を余儀なくされた。 2001年4月にミロシェビッチが職権濫用と不正蓄財容疑で逮捕され,6月にハーグ旧ユーゴスラビア国際戦争犯罪法廷 ICTYに送検されると,社会党は大きく支持を減らした。 (→ユーゴスラビア史 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android