ダグラスDC-3(読み)ダグラスディーシーさん(英語表記)Douglas DC-3

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダグラスDC-3」の意味・わかりやすい解説

ダグラスDC-3
ダグラスディーシーさん
Douglas DC-3

ダグラスエアクラフトが開発し 1935年に初飛行した,近代輸送機のさきがけ。第2次世界大戦を通じて1万機以上が軍に使われ,アメリカ陸軍はC-47,イギリス空軍はダコタと呼んだ。旅客機としても 800機あまりが世界中の航空路線に就航し,1940年代半ばのアメリカ合衆国では国内線を飛ぶ旅客機 300機の9割以上が DC-3であった。経済性も高く,航空輸送事業の基盤は本機によって確立したといってもよい。機体構造は低翼単葉の双発で,エンジンはライトR-1820 (1200馬力) 2。乗客 21~28人または貨物 2725kgを搭載する。全長 19.5m,全幅 29m。高度 3000mを時速 300kmで巡航し,実用上昇限度は 7000m。航続距離は 2400~3300km。操縦しやすく,信頼性も高いので,多くの操縦者に好まれ,21世紀に入ってからも世界各地で飛び続けている。

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世界大百科事典(旧版)内のダグラスDC-3の言及

【航空】より

…しかし20年代から30年代初めにかけては航空技術の進歩が比較的低調で,輸送機としては客席数20以下,巡航速度200km/h程度のものが多く使われており,交通機関として鉄道や船と対抗できるまでにはなっていなかった。ところが30年代後半,アメリカのダグラスDC3(28席,300km/h)で代表される輸送機の近代化が実現し,さらに第2次世界大戦の厳しい試練を受けて,戦後の輸送機は性能,信頼性とも格段の進歩を遂げた。58年にはイギリスのコメット4型,アメリカのボーイング707が就航して本格的なジェット時代が始まった。…

【交通】より

…第1次大戦後,余った軍用機で郵便輸送を始めたのが,航空輸送業の始まりである。高速でしかも安全な航空輸送は,〈空のT型フォード〉といわれたダグラスDC3の登場(1935)によってもたらされた。最大32人乗りのDC3は1万1000機製造され,1930年代に世界を飛んだ旅客機の90%を占めた。…

※「ダグラスDC-3」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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