知恵蔵 「ダビングテン」の解説 ダビングテン コピーワンスの欠陥を是正するために制定された、デジタル放送のコピー制限。 コピーワンスは2004年4月から地上デジタル放送、BSデジタル放送で実施されており、デジタル放送をDVDなどのパッケージメディアには一度だけ記録できるが、そこから他のメディアにはデジタルダビングできないというもの。ハードディスクレコーダーでは内蔵のパッケージメディアドライブによって、HDDにエアチェックした放送コンテンツをパッケージメディアにムーブ(移動)できるが、同時にHDDからは消去される。ダビングしたパッケージメディアから、再度ダビングすることは不可能なのである。 しかし、コピーワンスについて問題が指摘された。それは、(1)HDDからパッケージメディアへのムーブ時に失敗し、どちらの信号も消える事故が続発している、(2)パッケージにムーブしたら、それ以後はコピーできず、HDDに戻すこともできない、ということである。そこで「ダビングテン」が新たに制定された。9枚のメディアにダビングでき、10枚目はムーブになる、という仕組みだ。「9枚」の根拠は、ハードディスクにエアチェックされたオリジナル信号を、携帯電話や携帯映像プレーヤーなどのデバイスにコピーすることを考え、1世帯における視聴者の数の平均3人に3度をかけて、9度ということである。08年中の実施が予定されている。 (麻倉怜士 デジタル・メディア評論家 / 2008年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by