チエンセーン王国(読み)チエンセーンおうこく

改訂新版 世界大百科事典 「チエンセーン王国」の意味・わかりやすい解説

チエンセーン王国 (チエンセーンおうこく)

タイ北端のチエンセーンChiang Saenを都として11世紀ころから栄えたタイ族の王国。その歴史についてはあまりにも不明な点が多い。チエンセーンは1296年にラーンナータイ王国のマンライ王が都をチエンマイに移すまで,タイ北端の重要な都市であった。都跡にはいくつかの仏寺,仏塔が残り,チエンセーン様式と称される仏像出土,発見されている。仏像の特徴は,頭上に蓮華のつぼみ状の宝珠をのせ,胸がライオンの胸のようにふくらんで厚く,降魔印(ごうまいん)をとり,結跏趺坐する。また左肩の上からサンカーティと称する衣が垂れ下がり,乳首のところまできている。このような特徴は,インドのパーラ朝(8~12世紀)の仏像の影響を色濃く物語る。チエンセーンには現在,国立博物館がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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