チエンマイ(読み)ちぇんまい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チエンマイ」の意味・わかりやすい解説

チエンマイ
Chiang Mai

タイ北西部にある都市。北タイの中心地で,チエンマイ県の県都。チャオプラヤー川の支流ピン川に臨む盆地に位置する。年平均気温 25.6℃,月降水量 7mm(1月)~289mm(9月)。ラオ族の王国の首都であったが,1296年にタイ族のラーンナータイ王国の首都になり,16世紀まで繁栄。17世紀以降は,たびたびビルマに侵略されたが,独立を回復し,19世紀タイ族のトンブリー朝に併合された。人口稠密なアジアの都市とは対照的に秩序ある歴史的な町で,観光地として栄えている。城壁をめぐらした旧市街,多数の寺院,プーピン離宮などがあり,特にドーイサテープの丘にあるプラタート寺は北タイの中心的寺院として知られる。手工芸品の中心地としても有名で,近郊の集落では絹織物漆器木彫銀細工陶磁器,傘などを生産する。住民はラオ族が大部分で,民族色豊かな風習や祭りが伝わる。チエンマイ大学(1964)をはじめ各種の単科大学,研究所がある。バンコクから北方に延びる鉄道の終点。南部とは鉄道のほか,道路と空路で結ばれる。国際空港がある。人口 17万4438(2000)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チエンマイ」の意味・わかりやすい解説

チエンマイ
ちえんまい
Chiengmai

タイ北部の中心都市で、タイ第一の観光地。チエンマイ県の県都。チャオプラヤー川支流のピン川右岸に位置する。人口17万4438、同名の県の人口は150万0127(2000)。ラオ人の地方王国の王都であったが、歴史的にはランナータイ王国の王都として繁栄した。旧王都は四角形の城壁と堀を巡らせ、現在も県庁、裁判所などはこの内側にあり、城壁の一部も残っている。ワット・チエンマン、ワット・プラッシン、ワット・チェディルアン、ワット・クータオなど古い寺院が多い。旧王都の東側、ピン川との間は商業地区で、とくに生鮮食料品を売る公設市場付近は、近郊の農民や外国人観光客でにぎわう。旧王都の西方は新たに開発された地域で、チエンマイ大学、チエンマイ空港などが立地する。市の西約16キロメートルにあるドイステープ山(1650メートル)はチエンマイ随一の展望台で、その中腹にプラタートドイステープ寺院がある。市の周辺は肥沃(ひよく)な農業地域で、米の二期作のほか、タバコ、大豆ラッカセイなどを産する。ほかに工芸的な絹織物、傘、紙などの特産物もある。またチエンマイ市内でも、銀細工漆工芸、籐(とう)細工など、伝統的な手工芸品を生産している。

[友杉 孝]



チェンマイ
ちぇんまい

チエンマイ

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