日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
チャベス(Carlos Chávez y Ramírez)
ちゃべす
Carlos Chávez y Ramírez
(1899―1978)
20世紀メキシコの代表的作曲家、指揮者。母方にインディオの血を引くメスティソ(混血児)として生まれる。マヌエル・ポンセに師事し、10代から作曲を始める。1921年のバレエ曲『新しい火』にすでにみられるように、メキシコ・インディオの土着的な音楽を西欧音楽のなかでいかそうとする作風によって知られている。また、現代のメキシコ文化ではなく、古代のアステカ文化の再生を図る民族主義的傾向も強い。メキシコ交響楽団の指揮者、メキシコ国立音楽院の院長も務めた。代表作は、バレエ曲『馬力』(1927)、『アンティゴナ交響曲』(1932)、メキシコ民族楽器を含む打楽器合奏のための『トッカータ』(1942)、バレエ曲『ピラミッド』(1968)など。
[細川周平]