デュランティス(英語表記)Guilelmus Durantis

改訂新版 世界大百科事典 「デュランティス」の意味・わかりやすい解説

デュランティス
Guilelmus Durantis
生没年:1232から37-96

フランスのカノン法(教会法)学者。フランス名はデュランGuillaume Durand。貴族の家に生まれ,リヨンについでボローニャ法学修得,同地およびモデナでカノン法を講じた。しかしただちにローマに呼ばれ,歴代教皇によって種々の要職に任ぜられ,またマンド司教にもなった。数多くの著作があるが,主著は《訴訟鑑Speculum judiciale》(1271-76,改訂1289-91)。それまでのローマ・カノン法の訴訟法学の成果を自分の司法・行政経験をも踏まえながら総括し,後代にとって標準的な作品となった。このためデュランティスは彼の主著の書名にちなみSpeculatorとか〈訴訟手続の父〉とあだ名された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android