トゥール(フランス東部、ムルト・エ・モーゼル県)(読み)とぅーる(英語表記)Toul

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

トゥール(フランス東部、ムルト・エ・モーゼル県)
とぅーる
Toul

フランス東部、ムルト・エ・モーゼル県の副県都。ナンシーの西23キロメートルにあり、モーゼル川とマルヌ・ライン運河に沿う。旧名トルムTullum。人口1万6945(1999)。1944年以後修復された華麗なゴシック様式正面をもつサンテティエンヌ寺院(12~15世紀)や、サン・ガングルト教会がある。タイヤ、機械、家具、既製服などが生産される。4世紀以来、司教座の所在地。中世には独立した司教都市となり、13世紀に自治権を獲得。1648年にフランスに併合された。プロイセン・フランス戦争でドイツ軍に占拠されたが、第一次世界大戦初期の攻撃は免れた。技師ボーバンの築いた城壁がある。第二次世界大戦中の1940年、1944年に戦禍を受けた。同大戦中、米軍本部があった。

[大嶽幸彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例