トラックチェンバー

化学辞典 第2版 「トラックチェンバー」の解説

トラックチェンバー
トラックチェンバー
track chamber

高速荷電粒子気体,または液体中を通ったときのトラック(飛跡)を観測する検出器である.荷電粒子による気体原子・分子電離を利用するものとして,ウィルソンの霧箱やスパークチェンバー(放電箱)があり,荷電粒子の液体分子との衝突による液体中の飛跡にそった局所的加熱を利用するものとして泡箱がある.後者は液体の密度が気体に比べて高いことから,とくに高エネルギー素粒子反応の研究に必要不可欠な検出器となっている.一般にトラックチェンバーは磁石とともに使用され,飛跡の曲率半径から運動量,霧滴(霧箱)や泡(泡箱)の密度分布から粒子の速度が測定される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android