最新 地学事典 「密度分布」の解説
みつどぶんぷ
密度分布
density distribution
地震波速度が深さの関数としてわかっているとき,いくつかの仮定をすることにより,物質の密度を深さの関数として推定することができる。最も代表的な仮定は,地球内部の物質が静水圧平衡にあるということと,体積弾性率と圧力の間の関係式が既知であるということである。このとき,不連続面での密度の跳びについての不確定さは残るが,地球の慣性モーメントや平均密度( ≒5.52ɡ/cm3)を考慮することにより,可能な範囲をある程度絞ることができる。このような方法でK.E. Bullen(1936)は地球内部の密度分布を推定した。その後,主として地球の自由振動のデータを用いた改良がなされてきた(=PREMムプレ)。およその値として,地殻では2.6~2.8ɡ/cm3,マントルでは3.3~5.6ɡ/cm3,外核では10~12ɡ/cm3,内核では12~13ɡ/cm3である。上記のような地球内部の密度分布に加え,地殻など地球浅部の密度分布(密度構造)は,堆積盆やカルデラ等の構造調査に役立つため,金属,地熱などの資源探査の分野で重要である。
執筆者:菊地 正幸・安川 香澄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

