ヌビア遺跡(読み)ヌビアいせき(その他表記)Nubia

翻訳|Nubia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌビア遺跡」の意味・わかりやすい解説

ヌビア遺跡
ヌビアいせき
Nubia

ナイル川上流第1急流より第4急流にいたる河岸地域 (ヌビア) に点在する遺跡群。先史時代からイスラム時代にかけての神殿聖堂城塞墓地,石切り場,岩壁画などの遺跡がある。アスワン・ハイダムの建設によりナセル湖ができるため,第2急流上流約 150kmまでが水没することになり,1960年より国連教育科学文化機関 UNESCOのヌビア遺跡救済国際キャンペーンによって,遺跡の発掘調査および主要遺跡の解体移転が各国の協力で遂行された。 1979年アブシンベル神殿フィラエ遺跡とともに,世界遺産の文化遺産に登録。

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世界大百科事典(旧版)内のヌビア遺跡の言及

【アスワン・ハイ・ダム】より

…洪水時の流水に含まれる肥料効果がダム建設によって失われることの埋合せの研究もなされたが,ダム建設以前には洪水によって自然に淘汰されていた動植物が異常に増えたり,河口付近の生態系に変化を生じたりしており,ダムが環境に及ぼす影響として注目されている。またダム建設に伴って古代エジプト文化のヌビア遺跡の多くが水没することから,ユネスコが中心となってその一部を保存するための工事が行われた。その最大のものはアブ・シンベルの神殿で,川岸の砂岩の崖に刻まれた高さ20mの4人の王の巨像をまわりの岩から切り離し,総計約40万tの重さの石を持ち上げて移設した。…

※「ヌビア遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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