フィラエ遺跡(読み)フィラエいせき(その他表記)Philae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィラエ遺跡」の意味・わかりやすい解説

フィラエ遺跡
フィラエいせき
Philae

エジプト南東部,ナイル川中流,アスワン・ダムとアスワン・ハイダムの中間にあるフィラエ島の遺跡群。ヌビアとの境界とみなされたため,エジプト語では Paaleq,コプト語では Pilak (いずれも「辺境」の意) と呼ばれた。第 30王朝 (前 359~343) のネクタネボ1世がこの島にイシス神殿建立,またオシリスの埋葬地とされたため,やがてはナイルの神々の故郷として,プトレマイオス朝期,ローマ支配期を通して,エジプト人,エチオピア人の非常な尊崇を集めた。イシスの神官は,上エジプト一帯に権勢をふるい,アラキ涸れ川の金鉱を所有,南方クバンを通る隊商路を統轄した。ローマ皇帝テオドシウス1世の古宗教弾圧 (378) 後も繁栄を続けたが,6世紀にはビザンチン皇帝ユスチニアヌス1世により,イシス神殿は閉鎖された。 1895~96年に発掘,修復が行なわれた。イシス,ハトルの神殿,オシリスの礼拝堂,トラヤヌスキオスクなどがある。アスワン・ハイダムの建設により水没することになり,移築された。 1979年アブシンベル神殿にいたるヌビア遺跡群とともに,世界遺産の文化遺産に登録。

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