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岩壁画 がんぺきがrock drawing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

岩壁画
がんぺきが
rock drawing

岩壁絵画ともいう。岩の表面に描いた絵画のことで,洞窟内部にみられる場合が多い (→洞窟画 ) 。世界各地に存在しており,その描かれた年代も,題材も一様ではない。フランスからスペインにかけてみられる旧石器時代後期の洞窟岩壁画,アフリカ北部に散見する新石器時代の岩面絵画,アフリカ南部の洞窟や岩盤にみられるものや,スカンジナビア半島を中心として見出される青銅器時代の岩面刻画,オーストラリア北西部の岩陰や洞窟に先住民の描いた岩壁画などがあり,日本でも小樽の洞窟に,たぶん人物像と思われる刻画がある。フランスのラスコー洞窟やスペインのアルタミラ洞窟の壁画は名高い。フランスやスペインの岩壁画の題材としては,ウシ,ウマ,マンモス,シカ,トナカイなどの動物が主として選ばれており,彩画では,赤と黒とで線描したものが多い。北アフリカのものでは,ウシ,サイ,ゾウ,ヒツジ,ライオン,ダチョウなどの動物画とともに,神や怪物のような想像上の生物も描かれている。南アフリカには,新石器時代に属する,写実的で優美な動物画とともに,サン民族 (いわゆるブッシュマン) の雨ごい儀礼や戦争などを描いた多彩画が存在する。いずれの壁画も鑑賞用としてではなく,呪術的,宗教的な目的から作製されたものと考えられる。

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世界大百科事典内の岩壁画の言及

【インド美術】より

…それはベーダの宗教がもっぱら祭祀を中心とし神殿や神像を必要としなかったことと密接な関連がある。【肥塚 隆】 中部インドの山岳地帯には膨大な先史岩壁画が分布している。それらは古くから知られているミルザープルMirzapur,バーンダBanda,マハーデオ・ヒルMahadeo Hillsなどの山地のほか,最近続々と発見されているボーパール周辺の山地(ビーマベトカBīmabetka,カトティアKathotia,フィランギFirangiなど)に集中しており,後者は,世界最大の先史岩壁画群を形成する。…

【岩面画】より

…洞窟や岩陰の壁ないし天井や,独立した岩石の表面に施された彩画,刻画,浮彫で,それらを制作するために岩面が整えられていないもの。岩壁画,岩壁絵画ともいう。旧石器時代から新石器時代にかけて制作され,一部は歴史時代に属する。…

※「岩壁画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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