日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハインリヒ(7世)」の意味・わかりやすい解説
ハインリヒ(7世)
はいんりひ
Heinrich Ⅶ
(1274ころ―1313)
ルクセンブルク家のドイツ国王・神聖ローマ皇帝(在位1308~13)。ハプスブルク家のアルプレヒト1世の死後、王弟シャルルを推すフランス王フィリップ4世に対抗し、ケルン、トリールの大司教らの援助で国王に選ばれた。1310年弟のヨハンをボヘミアの王位につけ、ルクセンブルク家が東方に勢力を伸ばす端緒をつくった。同年、皇帝戴冠(たいかん)のためイタリア遠征を行ったが、グェルフ派とギベリン派との抗争に巻き込まれ、ナポリ王ロベールもハインリヒに対抗して戴冠場所である聖ペテロ教会を占拠したので、12年ラテランで枢機卿(すうききょう)の手から帝冠を受けた。シチリア王と結んでナポリを討とうとしたが、途中マラリアにかかって急死した。
[平城照介]