バクティ信仰(読み)バクティしんこう(英語表記)Bhaktism

旺文社世界史事典 三訂版 「バクティ信仰」の解説

バクティ信仰
バクティしんこう
Bhaktism

ヒンドゥー教における,最高神への絶対的な帰依の信仰
バクティは「分け合うこと」を意味するサンスクリット語で,「信愛」と訳される。7世紀ごろの南インドで発生。バラモンなどの特権階層が独占していた祭式によらず,神への絶対的な帰依によって,恩寵が与えられ無明の闇が払われて解脱への道が開かれると説いた。身分階級貧富の差・性別などにとらわれない考え方で,これによってヒンドゥー教は一般民衆に開かれたものとなり,急速に広まった。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバクティ信仰の言及

【インド】より

…美術ではパッラバ朝(3~9世紀)の石刻寺院建築やチョーラ朝のブロンズ彫刻などの新しい様式を生み出した。ヒンドゥー教の改革派であるバクティ(絶対帰依)信仰は,8世紀ごろ南インドに興り,やがて全インドに広まった。南インドの住民の海上活動もまた歴史上重要である。…

※「バクティ信仰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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