バルカモニカ(英語表記)Valcamonica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バルカモニカ」の意味・わかりやすい解説

バルカモニカ
Valcamonica

イタリア北西部,ロンバルディア州を流れるオリオ川流域渓谷。流域の岩壁 70km2にわたって刻まれた岩石画で知られる。最も古いものは前 8000年に描かれたとされるが,多くは前 18世紀 (前期青銅器時代) から前2世紀 (鉄器時代) 頃のもので,数は 14万点に及ぶ。狩猟農耕などの生活風景のほか,儀式や祭礼戦争などが時代とともに変化していく様子がいきいきと表現されている。 20世紀初頭に発見されるまで苔 (こけ) や雑草,雑木林などに埋もれていたため,無傷のままの姿を保った。半世紀ののち,ようやく学術調査が開始され,岩石画の歴史的重要性があらためて認められるようになった。渓谷中程にあるナクアネ岩壁彫刻画国立公園でその作品群を見ることができる。 1979年世界遺産の文化遺産に登録。

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百科事典マイペディア 「バルカモニカ」の意味・わかりやすい解説

バルカモニカ

イタリア北部,ロンバルディア州ブレシア県,カモニカ渓谷の約70km2におよぶ地域。岩壁に彫られた先史時代壁画が14万点以上もある。前期青銅器時代(前18世紀)から鉄器時代(前9世紀−前2世紀)までのもので,1929年に発見された。ナクワーネ岩壁彫刻国立公園などに,当時の農耕や狩猟といった日常生活や戦争,宗教儀式などが描かれた岩絵が残る。これら岩絵は1979年,世界文化遺産に登録。

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