バーバリーエイプ(その他表記)Barbary ape
Macacasylvana

改訂新版 世界大百科事典 「バーバリーエイプ」の意味・わかりやすい解説

バーバリーエイプ
Barbary ape
Macaca sylvana

霊長目オナガザル科の旧世界ザル。灰色がかった黄土色でうす汚れた印象を与えるサル。外見的には尾はほとんど認めえない。モロッコアルジェリアのアトラス山脈沿いおよびジブラルタルにすむ。別名マゴットmagot。ニホンザルより少し小さく,体毛は長くて縮れぎみで,ニホンザル同様耐寒性が強くて積雪地帯にも生息する。北アフリカ,ヨーロッパに生息し,かつアジア産でない唯一のマカク属のサルであるが,洪積世にはこれらの地域にもより広い分布域をもっていた。北アフリカのものはカシスギネズ混交林に生息し,それらの葉,芽,樹皮種子をおもな食物としている。半地上・半樹上生で,12~50頭の群れをつくり,社会構造はニホンザルのそれにきわめて近い。雄が赤ん坊の世話をよくし,劣位の雄は優位な雄に赤ん坊を渡すことによって許容をうるといった行動が報告されている。出産期は6~8月で赤ん坊の体色は黒っぽい。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のバーバリーエイプの言及

【キュー植物園】より

…イギリスのロンドン西郊外にある植物園で,大英帝国が隆盛を極めていたころには,エジンバラ,ダブリンをはじめ,アジアでもカルカッタ,シンガポールなどにあった大英帝国傘下の植物園群の中枢となっていた。現在も,世界最大のハーバリウム(植物資料標本館)をもっており,植物分類学研究のセンターの一つである。1759年に王立植物園になったときには8万1000m2の規模であったが,18世紀末にバンクスJ.Banksが園長をしていた間に約10倍に拡張し,現在では120万m2を上回る広さを占めている。…

※「バーバリーエイプ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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