ヒカヤット・アミル・ハムザ(英語表記)Hikayat Amir Hamzah

世界大百科事典 第2版の解説

ヒカヤット・アミル・ハムザ【Hikayat Amir Hamzah】

マレー古典文学における英雄伝説の一つ。東南アジアへのイスラム伝来とともにもたらされたペルシアの英雄伝説を,ペルシア語版からマレー語に翻訳したものである。主人公は預言者ムハンマドのおじハムザ・ブン・アブド・アルムッタリブで,最も人気のある英雄である。その死後さまざまな伝説的冒険談が付加されるが,ペルシア語版ではイスラム以前のペルシアの放浪の英雄として描かれ,ペルシアで人気の高い英雄伝説になった。年代記《スジャラ・ムラユ》の中に,1511年ポルトガルによるマラッカ攻撃の前夜スルタン・アフマドが戦士たちを鼓舞するため《ヒカヤット・アミル・ハムザ》を与える話が出てくるから,当時マラッカで愛読されていたのであろう。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

幸福追求権

日本国憲法 13条に保障する「生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利」を一体的にとらえて観念された場合の権利。アメリカの独立宣言中の,「〈天賦不可侵の権利〉のなかに生命,自由および幸福の追求が含まれ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android