ビチオノール(読み)びちおのーる

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ビチオノール
びちおのーる
bithionol

肺吸虫症の特効薬として知られる駆虫剤。無味無臭の白色または類白色の結晶または結晶性粉末で、水に溶けにくい。製剤は錠剤(「ビチン錠」)で、1錠中に200ミリグラム含有。肺吸虫をはじめ、肝蛭(かんてつ)、横川吸虫、広節裂頭条虫、無鉤(むこう)条虫などの駆除に用いられる。用法は1日体重1キログラム当り30~50ミリグラム、2~3回に分けて食後に経口投与する。投与は隔日とし、10~20日間を1クールとする。反復使用の場合には2~3週間の休薬期間を置く。副作用として下痢をはじめ、悪心や過敏症などがみられる。
 なお、ビチオノールがヒトの肺吸虫症に効くことは1961年(昭和36)に横川宗雄(むねお)(1918―95)らによって明らかにされたが、すでに皮膚の殺菌消毒剤として化粧品などの添加剤に用いられたり、ニワトリやウシなど動物の駆虫剤としても使われていた。[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のビチオノールの言及

【殺菌剤】より

…酸化亜鉛は軟膏用に,硫酸鉛は農薬用殺菌剤として使われる。また固型セッケンに添加して殺菌効果をもたせるための薬剤として,ヘクサクロロフェン(G‐11)やテトラメチルチウラムジスルフィドあるいはビチオノールなどがある。これらはグラム陽性菌には作用力が強いが,陰性菌にはそれほど効果はない。…

※「ビチオノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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