フィッシャー指数(読み)ふぃっしゃーしすう(英語表記)Fisher index

日本大百科全書(ニッポニカ)「フィッシャー指数」の解説

フィッシャー指数
ふぃっしゃーしすう
Fisher index

アメリカの経済・統計学者I・フィッシャーが提案した考え方に基づいて算出される指数のこと。下記の式のとおり、比較時(t時点)のフィッシャーの価格指数PF(t)は、ラスパイレス指数PL(t)とパーシェ指数PP(t)の幾何平均(両者の積の平方根)で算出される。


 価格指数を理論的に考えると、基準時(比較の基準となる時点)と比較時を比較するには、同じ効用を得るために必要な金額の比を用いるのがふさわしい。これを真の指数とすると、ラスパイレス指数は真の指数の上限、パーシェ指数は真の指数の下限を与えていると考えられる。フィッシャー指数は前記の計算式から、ラスパイレス指数とパーシェ指数の間の値になる。

 フィッシャーは前記の計算式を「フィッシャーの理想算式」と名づけたが、実際の物価指数で用いられることはまれである。日本では、貿易統計における輸出・輸入価格指数の計算や、算出手続を異にした二つの指数時系列を接合するなどのために用いられるにとどまっている。

[飯塚信夫 2019年2月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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