パーシェ指数
ぱーしぇしすう
Paasche index
ドイツの経済学者パーシェHermann Paasche(1851―1925)により1874年に提案された算式に基づいてつくられる指数のこと。指数を算出するときに比較時の購入割合(ウェイト)を用いる。
n種の財(商品)についての価格指数をパーシェの算式に基づいて作成する場合を例にして説明すると以下のとおりとなる。財iの基準時(比較の基準となる時点)の価格をp0i、比較時(t時点)の価格をptiとし、その財の比較時の購入量をqtiとする。t時点のパーシェの価格指数PP(t)は次の式で算出される。

また、財iの比較時の購入金額をwti=ptiqtiとすると、t時点のパーシェの価格指数PP(t)は以下の式でも表現でき、各財の価格を比較時のウェイトで加重平均していることが示される。

パーシェ指数では、指数算定のつどウェイトを変更しなければならないという欠点はあるが、経済構造の変化を反映したものになる。
[飯塚信夫 2019年2月18日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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パーシェ指数 (パーシェしすう)
Paasche index
物価あるいは数量指数算式として,ドイツの経済学者パーシェHermann Paascheが1874年に提唱した方法による指数をいう。基準年次の第i番目の財・サービスの価格をpi0とし,比較年次の第i番目の財・サービスの価格,数量をそれぞれpi1,qi1とすれば,パーシェ物価指数Pは
と表される(パーシェ数量指数は,この式において価格と数量を入れ替えることによって得られる)。これは比較年次の数量が基準年次においても取引されたという考えに基づいている。
日本をはじめ諸外国の多くの物価指数はラスパイレス物価指数(ラスパイレス指数)であるが,これには取引構造が変化すると真の物価水準から乖離(かいり)してしまうという欠点がある。パーシェ物価指数は,しばしばこうしたラスパイレス物価指数の偏りをチェックする(パーシェ・チェックという)ために用いられる。すなわち,それぞれの指数を計算し,両者の開きが大きければ基準年次を改定する必要があると判断される。
→指数
執筆者:貝山 道博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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法則の辞典
「パーシェ指数」の解説
パーシェ指数【Paasche index】
指数計算におけるウェイトとして,各時点の値を使う方式,すなわち

による指数をいう.
出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
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