日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラスパイレス指数」の意味・わかりやすい解説
ラスパイレス指数
らすぱいれすしすう
Laspeyres index
ドイツの経済学者ラスパイレスÉtienne Laspeyres(1834―1913)の提案に基づいて算出される指数。その算式は1864年に提案され、数々の論争を経て1871年に確立された。指数を算出する際に、基準時(比較の基準となる時点)の購入割合(ウェイト)を用いる。
n種の財(商品)についての価格指数をラスパイレス算式に基づいて作成する場合を例にして説明すると下記のとおりとなる。財iの基準時の価格をp0i、比較時(t時点)の価格をptiとし、その財の基準時の購入量をq0iとする。t時点のラスパイレスの価格指数PL(t)は次の式で算出される。
また、財iの基準時の購入金額をw0i=p0iq0iとすると、t時点のラスパイレスの価格指数PL(t)は以下の式でも表現でき、各財の価格を基準時のウェイトで加重平均していることが示される。
ラスパイレス指数は指数の算出が容易である一方、ウェイトを基準時で固定しているため、経済構造の変化を反映したものにならないという欠点がある。
なお、国家公務員給与と地方公務員給与の比較に用いられるラスパイレス指数は、前記のものとは異なる。具体的には、各自治体の地方公務員の給与水準を、年齢構成の差などを調整して国家公務員給与を100として指数化している。
[飯塚信夫 2019年2月18日]