輸出入の動向を示す経済統計。財務省が税関に提出された申告書に基づき、輸出入の数量や金額を品目、国・地域ごとに集計し、毎月公表している。輸出額が輸入額を上回れば貿易黒字、下回れば赤字となる。東日本大震災後の2011年度以降は、原発停止に伴う火力発電用の燃料輸入の増加や、米中貿易摩擦などを背景とした輸出の伸び悩みにより、年度ベースの貿易赤字が目立つようになっている。
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輸出入の現状の把握を目的とした統計の総称。最も基本的なものとして通関統計(正式名称は貿易統計)があるが,そのほかに輸出確認統計,輸入報告統計等がある。
(1)通関統計(大蔵省) 通常,貿易統計といえば狭義には本統計を指す。1869年(明治2)外務省によって始められ,71年大蔵省に移管された。品目別,地域別,国別に通関金額(円ベース,ドル・ベース),数量を月ごとに集計したもので,輸出入動向を把握するうえで不可欠な統計である。貨物が税関を通過する際提出された輸出申告書,輸入申告書等をもとに作成され,計上対象は税関を通るすべての輸出入貨物である。計上価格は,輸出がFOB建て,輸入がCIF建て(FOB-CIF)に統一されている。計上時点は通関時であり,輸出は出港日,輸入は輸入許可日となっている。
なお,通関統計上の輸出入額は,国際収支統計(大蔵省,日本銀行)上の輸出入額と異なっているが,これは,国際収支統計においては,輸入の計上価格がCIF建てではなく,FOB建てであること,計上時点が通関時ではなく,貨物の所有権移転時であること等によるものである。
(2)輸出確認統計(通商産業省) 本統計は,計上時点が輸出報告書の税関での確認時であるため,通関統計に対して7~10日程度の先行性がある。また,輸出取引を決済通貨別(ドル建て,円建て,その他),決済方法別(信用状,延払い等),決済期間別(一覧払い,1年以内,1年超)にとらえることができる唯一の統計となっている。
(3)輸入報告統計(通商産業省) 本統計は,計上時点が輸入報告書の提出時であるため,通関統計に対して1ヵ月程度の先行性がある。加えて,輸入取引を決済種類別(信用状,取立手形等),決済条件別(前払い,一覧払い,後払い等)にとらえることができることがその特色となっている。
また,もっぱら通関統計に対する先行指標として用いられる統計としては,輸出信用状接受高(日本銀行,大蔵省。通関統計に対する先行性は1~3ヵ月程度),大手13商社輸出入成約状況(日本貿易会。通関統計に対する先行性は3ヵ月程度)がある。さらに企業の貿易見通しを集計したものとして,輸出入動向調査(通商産業省),主要商社輸出入見通し(経済企画庁)がある。
→経済統計
執筆者:作田 頴治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
関税法の規定に基づき、日本から外国への輸出および外国から日本への輸入について、税関に提出された輸出入の申告を集計し、定期的に公表している統計。通関統計という別称がある。外国貿易等に関する統計基本通達に基づいて実施されており、(1)普通貿易統計、(2)特殊貿易統計、(3)船舶・航空機統計の3種類がある。
普通貿易統計とは、貨物の輸出、輸入に関する統計である。ただし、少額貨物(20万円以下のもの)、旅貨物および携帯品・別送品扱いの自動車、天皇および皇族の貨物、各国の元首・その一族および従者に属する貨物、外交官関係の貨物、軍関係の貨物、金貨および貨幣用金などは除かれている。貨物の計上価格については、輸出はFOB(本船渡し)価格、輸入はCIF(保険料・運賃込み)価格が基準とされ、申告価格に基づいて行われる。統計の計上時点に関しては、原則として、輸出については貨物の出港日に、輸入については輸入許可日とされている。
特殊貿易統計とは、金統計(金貨および貨幣用金に関する統計)、船用品・機用品統計(積み込まれた船用品および機用品に関する統計)および通過貿易統計(本邦を通過する外国貨物に関する統計)をさす。船舶・航空機統計とは、船舶および航空機の入出港に関する統計をさす。なお、とくに断らない限り、貿易統計は(1)の普通貿易統計をさす。
貿易統計は、日本の統計中でもっとも古くから存在するものの一つであり、1869年(明治2)に外務省によって編成されたのが始まりである。その後1871年に大蔵省に、そして2001年(平成13)からは中央省庁再編に伴い財務省に移管された。
[飯塚信夫 2020年9月17日]
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