フィパ族(読み)フィパぞく(英語表記)Fipa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィパ族」の意味・わかりやすい解説

フィパ族
フィパぞく
Fipa

タンザニアの西部,タンガニーカ湖とルクワ湖にはさまれた地域に住むバンツー語系の民族。雑穀類,とうもろこし,豆類を栽培する農耕民で,恒常的な村に住んでいる。伝統的には南北2つのかなり中央集権化の進んだ王国に分れていたが,ともにトゥワと呼ばれる共通王家に支配されていた。しかし,このトゥワの王たちは,中央部の山を中心とするごく小地域を支配する首長ミランシの宗教的至上権を認め,首長の存在は王たちの支配に正当性を与えるとともに,フィパ族にとって永続性の象徴でもあった。相続や地位継承母系に従うが,村はむしろ父系親族が集中する。出自集団はなく,ウルコと呼ばれる拡大家族が唯一の親族集団である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android