フォリア(読み)ふぉりあ(その他表記)folia

翻訳|folia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォリア」の意味・わかりやすい解説

フォリア
ふぉりあ
folia

ポルトガル起源といわれる三拍子系の舞曲と舞踏歌。15、6世紀には、フォリア(狂気)という名にふさわしい快速で活発な踊りであったが、17世紀に入って性格が変わり、一定の低音旋律を伴うゆったりとした舞曲となった。そのうえ、上声部の旋律も二度音程で動くほぼ一定したものが用いられ、ヨーロッパ諸国の器楽奏者の間で流行した。

 スペイン民俗音楽なかにも、フォリアと関連の深いものがいくつかみられる。なかでも、ガリシア地方(ポルトガルに隣接)のフォリアダとよばれる舞踏歌やカナリア諸島のフォリアは、古いタイプのフォリアを受け継いだものである。

[アルバレス・ホセ]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォリア」の意味・わかりやすい解説

フォリア
folía; follia

音楽用語。 16世紀にポルトガルに起った3拍子の騒々しい舞曲で,語義は「浮れ騒ぎ」であるが,バロック時代には次第に荘重なサラバンド風の曲想を帯びた。また,その定型的な旋律と和声に基づいて多く変奏曲が作られた。

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