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変奏曲 へんそうきょくvariation

翻訳|variation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

変奏曲
へんそうきょく
variation

楽曲の形式。一定の主題とそのいくつかの変奏から成る楽曲をいう。変奏の要素には,旋律の変形と装飾,リズムや速度の変化,和声の変化,対位法の技法などがあり,また変奏の単位ごとに区切りをもつ分節的な変奏と,シャコンヌパッサカリアのようにオスティナート主題に基づく連続的な変奏がある。変奏の技法による芸術的な楽曲は,16~17世紀のイギリスのバージナル楽派から現れ,バロック時代にはコラールや俗謡の旋律による装飾的な変奏曲が栄えた。ベートーベン以降は,主題の輪郭のみを保持した性格変奏が多く,現代音楽ではセリーの技法による変奏曲がみられる。

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デジタル大辞泉の解説

へんそう‐きょく【変奏曲】

主題といくつかの変奏からなる楽曲。バリエーション

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百科事典マイペディアの解説

変奏曲【へんそうきょく】

主題モティーフ(動機)に含まれる素材を変形する技法を変奏といい,それが楽曲構成の基盤になっているものを変奏曲とよぶ。その作曲技法には旋律的変奏(主題と同じ和音進行),和声的変奏,リズム的変奏,テンポ上の変奏,対位法的変奏などがある。

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デジタル大辞泉プラスの解説

変奏曲

竹宮惠子作画、増山圭子原作による漫画作品。二人の天才音楽家を主人公としたシリーズ連作。『グレープフルーツ』1981年第1号~1985年第24号ほかに連載。朝日ソノラマ サンコミックス全3巻。

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世界大百科事典 第2版の解説

へんそうきょく【変奏曲 variation】

主題モティーフあるいはそれらに含まれる音楽素材を種々の手法で変形する技法を変奏といい,変奏技法が楽曲構成の基盤となっている曲を変奏曲,その楽式を変奏曲形式という。変奏は作曲における基本原理の一つで,古来あらゆる種類の音楽にみられる。例えば中世の単旋律聖歌にもすでに旋律の高度な装飾変奏が認められる。変奏の対象は,音列,音型,和声,リズム,拍子,テンポ,強弱法,音色(管弦楽法など),伴奏部,旋律全体から形式構造そのものに至るまで,音楽のほとんどすべての要素に及び,しばしばそれらが複合的に組み合わされる。

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大辞林 第三版の解説

へんそうきょく【変奏曲】

主題のリズム・旋律・和音などを種々の方法で変化させて、全体を一つの楽曲にまとめたもの。バリエーション。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

変奏曲
へんそうきょく
variation英語
Variationenドイツ語

主題、動機、音列などを種々の方法で変形する技法を変奏といい、変奏技法を楽曲構成の基本原理とする楽曲を変奏曲という。一般に「主題と変奏theme and variations」という名称でよばれることが多いが、主題呈示部のない変奏曲も存在する。変奏の原理は主題などの変形を重ねていく原理であると同時に反復の原理でもある。つまり、自己同一性と変形という相反する二つの性質により成立する統一の原理であるといえよう。その技法には大別して次の3種がある。〔1〕装飾変奏(厳格変奏) 主題の旋律やリズムなどに装飾的変化を加える。〔2〕対位法的変奏 音の横の連なりを重視する対位法による変奏技法を総称するが、とくに既存の旋律を定旋律とする変奏曲が重要である。〔3〕性格変奏(自由変奏) 主題の部分的特徴のみを保持し、自由な変奏を行う。このほか、主題の変形方法に着眼してフランスの作曲家ダンディが行った、〔1〕装飾的変奏、〔2〕修飾的変奏、〔3〕拡張(敷衍(ふえん))的変奏の3分類法もある。
 変奏の原理を用いた楽曲は古くから世界各地に存在するが、変奏曲という独立した形式をもつものが登場するのは16世紀である。スペイン、イタリア、イギリスなどのリュート、ビウエラ、鍵盤(けんばん)楽器のための作品のなかにその例がみいだされる。とりわけスペインでは、カベソンのオルガン曲集やナルバエスのビウエラ曲集のなかにまとまった形でみられる。ディフェレンシアスとよばれる楽曲がそれで、変奏曲としてはもっとも古いものの一つである。ここで用いられた変奏技法は、装飾的対位法的なものであった。この技法は、スウェーリンク、シャイト、バード、ギボンズらに受け継がれ、イタリア、イギリスなどで用いられた。17世紀に入ると、フレスコバルディのパルティータなど変奏曲は多数つくられ、また性格変奏の技法も用いられるようになる。バロック期には、組曲内のドゥーブルやコラールパルティータに変奏技法が用いられ、一方、シャコンヌ、パッサカリア、フォリアなどのオスティナートをもつ変奏曲も登場する。古典派では、モーツァルトにみられるように比較的単純化された装飾変奏の作品もつくられるが、ベートーベンに至り内容は豊かになり、彼によって性格変奏が確立された。そしてこの傾向はシューマンやリストらロマン派へ受け継がれた。現代音楽における音列作法も、ある意味において変奏の原理に立脚したものといえよう。[アルバレス・ホセ]

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