フタル酸ジブチル(読み)フタルサンジブチル

デジタル大辞泉 「フタル酸ジブチル」の意味・読み・例文・類語

フタルさん‐ジブチル【フタル酸ジブチル】[benzyl butyl phthalate/butyl benzyl phthalate]

benzyl butyl phthalate、または、butyl benzyl phthalateフタル酸エステル一つ無色透明油状液体可塑剤としてプラスチックに添加され、シーリング材・床壁用タイル・塗料人造皮革・室内装飾用品などに使われる。フタル酸ベンジルブチルフタル酸ブチルベンジル。化学式C19H20O4

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化学辞典 第2版 「フタル酸ジブチル」の解説

フタル酸ジブチル
フタルサンジブチル
dibutyl phthalate

1,2-benzenedicarboxylic acid dibutyl ester.C16H22O4(278.34).略称DBP.無水フタル酸とブタノールとを酸の存在下に加熱してエステル化すると得られる.無色の油状液体.凝固点-35 ℃.沸点339 ℃,227~235 ℃(4.9 kPa).1.042.1.4926.粘度20.3 cP(20 ℃).蒸気圧146 Pa(150 ℃).有機溶媒に易溶,水に不溶.可塑剤として用いられる.塩化ビニル,そのほかのビニル系樹脂と相容性がよい.可塑剤としては安価であるが,揮発性が大きく,耐油性の点でもフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)に劣る.[CAS 84-74-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフタル酸ジブチルの言及

【可塑剤】より

…このように可塑剤を添加することによって,高分子の特性は大きく改良され,かつ用途も大きく広がる。 ポリ塩化ビニルの可塑剤としてよく用いられるのは,フタル酸ジオクチルdioctyl phthalate(DOP),フタル酸ジブチルdibutyl phthalate(DBP)などのフタル酸エステル類である。可塑性のほか,難燃性や耐油性を改良するため,リン酸トリクレシルtricresyl phosphate(TCP)などのリン酸エステルも用いられる。…

※「フタル酸ジブチル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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