ベンジル(読み)べんじる(英語表記)benzil

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンジル」の意味・わかりやすい解説

ベンジル
べんじる
benzil

α(アルファ)-ジケトンの一つ。ジベンゾイルビベンゾイルジフェニルグリオキサールなどの別名をもつ。

 ベンゾイン酸化により得られる。化学式C6H5COCOC6H5。黄色柱状結晶で、水には溶けないが、エタノールエチルアルコール)、エーテルに溶ける。エタノールに水酸化カリウムを溶かした溶液(エタノールカリとよばれる)と加熱すると、転位反応によりベンジル酸になる。この反応をベンジル酸転位という()。

 なお基名のベンジルbenzylは、トルエンメチル基の水素1個を除いたC6H5CH2-の名称である。

[廣田 穰 2016年2月17日]



ベンジル(データノート)
べんじるでーたのーと

ベンジル
分子式C14H10O2
分子量210.2
融点95~96℃
沸点346~348℃
密度1.23g/cm3

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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