ブタノール(読み)ぶたのーるでーたのーと(英語表記)butanol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブタノール」の意味・わかりやすい解説

ブタノール(データノート)
ぶたのーるでーたのーと

ブタノール
  C4H9OH, 分子量 74.1

1-ブタノール
  CH3CH2CH2CH2OH
 融点  -89.53℃
 沸点  117.25℃
 比重  0.8095(20℃)
 屈折率 (n)1.3993

2-ブタノール

 融点  -114.7℃
 沸点  98.5℃/740mmHg
 比重  0.8029(25℃)
 屈折率 (n)1.3993

2-メチルプロパノール

 融点  -108℃
 沸点  108℃
 比重  0.8018(20℃)
 屈折率 (n)1.3955

2-メチル-2-プロパノール

 融点  25.6℃
 沸点  82.50℃
 比重  0.78581(20℃)
 屈折率 (n)1.3878


ブタノール
ぶたのーる
butanol

脂肪族飽和アルコールの一種で、ブチルアルコールbutyl alcoholともいう。炭素数4個の飽和炭化水素ブタンの水素原子1個がヒドロキシ基で置換された構造をもつ。次の4種の異性体がある。いずれも独特のにおいを有する。

(1)1-ブタノール(n-ブチルアルコール) 石油化学で得られるプロピレンからオキソ法により、あるいはアセトンブタノール発酵により得られる。塗料の溶剤として、また酢酸とのエステルは溶剤として、フタル酸のエステルは可塑剤として使われる。

(2)2-ブタノール(第二ブチルアルコール) ブテンに水を付加させて製造する。不斉炭素原子があるので一対の光学異性体が存在するが、市販品は両者が等量混合したラセミ体である。溶剤やエッセンスの原料として利用される。

(3)2-メチルプロパノール(イソブチルアルコール) ペイントなどの洗浄液や果実エッセンスの原料として用いられる。

(4)2-メチル-2-プロパノール(第三ブチルアルコール、t-ブチルアルコール) 2-メチルプロペン(イソブチレン)への水の付加により製造される。石油添加剤や第三ブチル化剤として用いられる。いずれの異性体も空気中に数パーセント存在すると引火しやすく、室内における許容濃度も規定されている。

[徳丸克己]

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