ヘニル(英語表記)Hœnir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘニル」の意味・わかりやすい解説

ヘニル
Hœnir

北欧神話の神。太古オーディンおよびロズルとともに海岸で見つけた2本の流木から最初の人間の男女をつくり,男をアスク (トネリコ) ,女をエンブラと名づけた。このとき,オーディンは彼らに息を,ヘニルは心を,ロズルは生命の暖かさを与えたという。アサ神族バナ神族の間に,戦いのあとで和睦が成立すると,ヘニルはミミルとともにバナのすみかバナヘイムに行って住むことになり,バナたちは彼の美しさに満足して自分たちの王とした。しかしヘニルは,何事についても賢いミミルと相談して,自分で決定することがなかったので,その無能ぶりに立腹したバナ神たちは,ミミルの首を切り,アサ神たちのところに送り返したという。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android