日本大百科全書(ニッポニカ) 「アサ神族」の意味・わかりやすい解説
アサ神族
あさしんぞく
Áss
北欧神話のオーディンを主神とする神族の名。スノッリの『エッダ』によると、トール、バルドル、ニョルド、フレイ、チュール(軍神)、ブラギ、ヘイムダル、ホズル、ビーザル(戦いの神)、バーリ(名射手)、ウルル、フォルセティ(正義と和解の神)、ロキがおもな男神。女神は、オーディンの妻フリッグ、フレイヤがもっともよく知られるが、そのほかサーガ(予言者)、エイル(医者)、ゲビウン(乙女神)、フッラ(侍女)、ショブン(愛の神)、ロブン(縁結びの神)、バール(誓約の神)、ボル(穿鑿(せんさく)好き)、シュン(扉の番人、民会の弁士)、フリーン(後見人)、グナー(使者)などがいる。アサ神族はアースガルズに館をもって、この世を支配し、法廷や宴会に集い、若返りのリンゴを食べる。世界の終末には来襲する巨人族と戦い、凄絶(せいぜつ)な戦闘のすえ、ともに滅びる。
[谷口幸男]