ペアノの公理(読み)ペアノノコウリ

デジタル大辞泉 「ペアノの公理」の意味・読み・例文・類語

ペアノ‐の‐こうり【ペアノの公理】

イタリアの数学者ペアノが考案した自然数公理系五つ公理からなり、自然数のすべての性質が導かれる。また数学的帰納法も含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペアノの公理」の意味・わかりやすい解説

ペアノの公理
ぺあののこうり

自然数の概念を公理的に規定するためイタリアの数学者ペアノが提案した次の5公理。

(1)1は自然数である。

(2)各自然数に対して、その後者とよばれる自然数がただ一つある。

(3)相異なる自然数の後者は相異なる。

(4)1はいかなる自然数の後者ともならない。

(5)自然数の部分集合Mが1を含み、かつ自然数nを含めば、かならずnの後者も含むときには、Mは自然数全体のなす集合である。

 ペアノの公理系から自然数のもつすべての性質が導出される。またペアノの公理系を満たす集合はすべて同型となる。

[足立恒雄]

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