化学辞典 第2版 「ホスファチジルセリン」の解説
ホスファチジルセリン
ホスファチジルセリン
phosphatidylserine
1,2-diacyl-sn-glycerol 3-phospho-L-serine.アミノ酸を含有する酸性リン脂質では,もっとも広く生物界に分布しているが,存在量はレシチン,ホスファチジルエタノールアミンに比較すると少ない.脳や神経組織に多く含まれ,赤血球膜リン脂質の10~20% を占める.天然物はL-体で,セリンもL-セリンである.白色の粉末.石油エーテル,エーテル,クロロホルムに可溶,アセトン,メタノール,エタノール,水に不溶.K,Na,Ca,Mg塩などが知られている.血小板膜上での血液凝固因子の活性化の補助因子,膜結合タンパク質の活性発現の補助因子となることが知られている.また,生物体内には,ホスファチジルセリンとホスファチジルエタノールアミンとの相互変換経路が存在している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報