ポリウォーター(英語表記)polywater

翻訳|polywater

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリウォーター」の意味・わかりやすい解説

ポリウォーター
polywater

1966年ソ連科学アカデミーの B.デリアギンは四量体 (H2O)4 と称する異常な水の存在を報告したが,アメリカのメリーランド大学の E.R.リピンコットは 70年秋のアメリカ化学会年会でこれは水 H2O の完全な重合体であると報告し,この水をポリウォーターと呼んだ。密度および屈折率はそれぞれ 1.39 g/cm3 ,1.48と報告され,融点は-40~-60℃,沸点 500~600℃と推定されている。内径数十μの石英毛細管中に凝縮させて得られるといわれる。ポリウォーターの存在は -OH 化合物の重合体の可能性を示すばかりでなく,岩石や生物組織中の水の機能との関連性が強く示唆されている。しかし,その後の精密な分析結果から,これはアルカリなどの不純物を溶解した不純な水であると考えられている。

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