ポリオーマウイルス(読み)ぽりおーまういるす(英語表記)polyomavirus

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポリオーマウイルス
ぽりおーまういるす
polyomavirus

パポーバウイルス科に属するウイルス。環状2本鎖のDNA(デオキシリボ核酸)ウイルスで、直径45~55ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)、カプソメア(カプシドの構造単位)数42~72、正二十面体を呈する。エンベロープ(外被)はなく、エーテルやエタノール(エチルアルコール)に耐性がある。60℃、30分の加熱でも失活しにくいが、2価のイオンが存在すると失活する。1953年、グロスLudwik Gross(1904―99)によってAKRマウス(実験用マウスの一系統)から発見、分離された。マウス由来の細胞によく増殖する。マウス、ハムスター、ラット、ウサギなどの培養細胞は、腫瘍(しゅよう)原性感染を受けると形質導入transformationが生じる。とくにマウスに潜伏感染をおこし、伝染性はきわめて強い。しかし、接触感染では、ほとんど腫瘍の形成は認められない。ポリオーマウイルスは、ウイルスの腫瘍化の研究材料としてもっともよく使われる有用なウイルスである。[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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