ハムスター(その他表記)hamster

翻訳|hamster

デジタル大辞泉 「ハムスター」の意味・読み・例文・類語

ハムスター(hamster)

ネズミ科キヌゲネズミ亜科哺乳類体長約15センチ、尾はごく短い。毛は柔らかく、上面橙色で腹は白色ほお袋をもつ。動物実験用・愛玩用。ゴールデンハムスター
[類語]野鼠家鼠熊鼠溝鼠どぶねずみ二十日鼠独楽鼠舞鼠天竺鼠モルモット

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ハムスター」の意味・読み・例文・類語

ハムスター

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] hamster ) ネズミ科キヌゲネズミ亜科の総称。主にアジア大陸からヨーロッパにかけて、約二五種がいる。乾燥した場所を好み、岩山の斜面から農耕地にまですむ。小形の哺乳類で、最大種で約三〇センチメートル。また、とくにそのうちの一種ゴールデンハムスターの飼育変種をいい、体長一七~一八センチメートル。尾は約一センチメートルと短く、体型はずんぐりとしている。体毛は絹毛状で柔らかく、上面は褐色で下面は灰白色。純白の品種もある。草食性で、荒地に穴を掘ってすむ。口内の左右にほお袋があり、草の種子などをつめて巣内に運び貯蔵し、冬眠中に時々めざめてこれを食べる。東ヨーロッパからイランに分布。発育が早く、生物・医学の実験用のほか愛玩用に飼育される。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ハムスター」の意味・わかりやすい解説

ハムスター
hamster

ゴールデンハムスターに代表される小獣で,齧歯(げつし)目ネズミ科キヌゲネズミ亜科Cricetinaeの哺乳類の総称。ヨーロッパからアジアに6属17種ほどが分布。大きさは変化に富み,最小種は中国北部からシベリアに分布するヒメキヌゲネズミ類Phodopusで体長5.3~10.2cm,尾長0.7~1.1cm。最大種はベルギーからバイカル湖に分布するヨーロッパハムスターCricetus cricetusで,体長20~34cm,尾長4~6cmに達する。一般に体はずんぐりしており,四肢と尾が短い。体毛は絹毛状で柔らかく,尾の基部にも長毛が密生する。口内の左右にほお袋があり,草の種子や穀類など大量の食物をつめこみ,巣穴に貯蔵する。

 ふつう乾燥した草原,砂丘,砂漠の周辺などに単独ですみ,地中トンネルに巣室をもつ。トンネルには出入口,巣室,食物貯蔵庫,便所が数ヵ所ある。寒くなると冬眠するが,ときおり目を覚ましては貯蔵した食物を食べる。おもに夜行性で,草の種子などのほかに,果実,根,葉などを食べ,種類によってはカエルや昆虫などの幼虫も食べる。雌雄は交尾のとき以外,別々にくらすが,アジア北東部に分布するハイイロキヌゲネズミCricetulus tritonの雄は交尾期に10日ほど雌の巣穴で過ごす。ふつう年に2~3回出産し,妊娠期間は15~22日で,1産4~12子ほどを生む。寿命は2~3年である。

 実験動物ペットにされるゴールデンハムスターMesocricetus auratusは,1930年にシリアで捕獲された1頭の雌と12頭の子からなる1家族を家畜化した子孫である。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハムスター」の意味・わかりやすい解説

ハムスター
はむすたー
hamster
[学] Mesocricetus auratus

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キヌゲネズミ科の動物。正しくはゴールデンハムスターgolden hamsterまたはシリアンハムスターSyrian hamsterとよぶ。シリア、カフカスなどに分布している。1930年にパレスチナの動物学者アハロニAharoniがシリアのアレッポで発見した。このとき持ち帰った1腹8匹のうち、雄1匹、雌2匹から繁殖した子孫が世界中に広がり、飼育されるようになった。しかし、古代アッシリアとアナトリア(小アジア)でもハムスターを飼いならしていたという記録がある。現在では、実験動物として狂犬病、ジステンパー、日本脳炎などの研究に広く用いられ、また、ペットとしても飼育されている。頭胴長12.5~15センチメートル、尾長1.7~2.2センチメートル、体重130~180グラム。頬袋(ほおぶくろ)がある。雑食性で、貯食習性が著しく、冬眠する。妊娠期間は10~14日、1産8~10子、1年に5~6回も子を産む。生まれた子は11週で性成熟に達する。乳頭は7~8対。イギリスでは逃げ出したものが野生化して、農作物に被害が出ているという。実験動物として使用されているハムスター類には、このほかにユーロピアンハムスターCricetus cricetusやチャイニーズハムスターCricetulus barabensis griseusなどがある。

 なお、ハムスターの語は広義にはキヌゲネズミ科キヌゲネズミ亜科Cricetinaeの動物を総称することもある。この亜科にはヨーロッパからアジアにかけて、5属15種ほどが知られている。

[宮尾嶽雄]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ハムスター」の意味・わかりやすい解説

ハムスター

齧歯(げっし)目ネズミ科。キヌゲネズミ亜科の哺乳(ほにゅう)類の総称。ヨーロッパ,中東,ロシア,中国,南アフリカに分布。乾燥地〜半乾燥地で,岩山の斜面,ステップ〜農耕地にすむ。ゴールデンハムスターは体長12〜16cm,尾1.7〜2.2cmで,形はモルモットに似る。東欧〜西アジアに分布。地中に穴を掘ってすみ,植物の葉,種子,昆虫などを食べる。1腹5〜11子。実験動物やペットにされる畜養種は1930年にシリアで捕獲され,飼いならされたものの子孫といわれる。
→関連項目ネズミ(鼠)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

栄養・生化学辞典 「ハムスター」の解説

ハムスター

 哺乳綱正獣下綱ネズミ目(齧齒類)に属する動物.実験動物やペットとして飼育される.ゴールデンハムスター(golden hamsterもしくはSyrian hamster)[Mesocricetus auratus],チャイニーズハムスター(Chinese hamster)[Cricetulus griseus]のほか,主に実験用動物の[Cricetus cricetus]がある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハムスター」の意味・わかりやすい解説

ハムスター

「ゴールデンハムスター」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android