化学辞典 第2版 「ポリピロール」の解説
ポリピロール
ポリピロール
polypyrrole
ピロールの重合体で,電気伝導性高分子の一種.ポリピロールの電気伝導率は約100 S cm-1 である.複素五員環化合物は易動性水素をもち,炭素上のπ電子が過剰状態にあるため,容易に陽極酸化によりラジカル(遊離基)活性種が生成する.電解重合により高分子が得られる複素五員環化合物として,チオフェン,フラン,セレノフェンなどがある.ポリピロールは,ドーパントの種類により,膜の形態,機械的性質,電気伝導率が広く制御できる特徴がある.たとえば,p-トルエンスルホン酸ナトリウムを用いると,500 S cm-1 の高い電気伝導率を示し,機械的強度の高い膜が得られる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報