日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイクロLEDテレビ」の意味・わかりやすい解説
マイクロLEDテレビ
まいくろえるいーでぃーてれび
micro LED TV
R(赤)、G(緑)、B(青)の3色のLED素子を配列した自己発光方式のディスプレー・パネルを用いるテレビ。LEDディスプレーは、鮮やかな色彩と高い輝度が特長であり、明るい日中の屋外でも鮮明な画像を見ることができることから、現在、デジタルサイネージ(電子看板)用途に広く使われて、街頭のビル壁面を利用した広告動画や、競馬場・野球場などのスポーツ施設の観客サービス用動画の表示装置などに普及している。家庭用テレビの大きさのディスプレー・パネルをつくることは、2018年以前には不可能と考えられていたが、2019年1月にアメリカで開催されたCES(セス) 2019(2019年家電見本市。CES:コンシューマー・エレクトロニクス・ショーConsumer Electronics Show)において、韓国の三星(サムスン)電子が75インチ型の4KマイクロLEDテレビを発表した。発売時期や価格は未定とされているが、家庭用として実用的なサイズに一歩近づいたといえる。マイクロLEDテレビは、現行の液晶テレビや有機ELテレビに比べて、より忠実な色表現、高いコントラスト比、広い視野角などの高画質性能をもつことに加え、安定性、長寿命、低消費電力などの特長があり、次世代テレビの候補として期待される。
[吉川昭吉郎 2019年6月18日]