日本大百科全書(ニッポニカ) 「マックロスキー」の意味・わかりやすい解説
マックロスキー
まっくろすきー
Robert McCloskey
(1914―2003)
アメリカの絵本作家。オハイオ州ハミルトンに生まれる。ボストンのベスパー・ジョージ・アートスクールを卒業、ナショナル・アカデミー・オブ・デザインで研修。子供時代の思い出をもとに処女作絵本『レンティル』(1940)、童話『ゆかいなホーマーくん』(1943)を創作。ボストンで暮らす間に、散歩を楽しんだ公園で見かけたカモの家族を描いた傑作絵本『かもさんおとおり』(1941)をつくり、コールデコット賞を受賞。ニューヨーク、メキシコ、ローマなどで美術の研究と制作活動ののち、メーン州の美しい入り江の小島に家族とともに住み、そこでの生活を通じて『サリーのこけももつみ』(1948)、『海べのあさ』(1952)など自然のたたずまいを描いた名作を生み、『すばらしいとき』(1957)で再度コールデコット賞を受賞する。『沖釣り漁師のバート・ダウじいさん』(1963)は、潮の香りとほら話をミックスした豪快な作品で、ヘミングウェイの『老人と海』を連想させる。20世紀のアメリカ絵本界の巨匠である。
[渡辺茂男]
『石井桃子訳『ゆかいなホーマーくん』(1965・岩波書店)』▽『渡辺茂男訳『かもさんおとおり』(1965・福音館書店)』▽『渡辺茂男訳『すばらしいとき』(1978・福音館書店)』▽『渡辺茂男訳『沖釣り漁師のバート・ダウじいさん』(1995・童話館出版)』▽『まさきるりこ訳『ハーモニカのめいじんレンティル』(2000・国土社)』