マハティール構想(読み)マハティールこうそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マハティール構想」の意味・わかりやすい解説

マハティール構想
マハティールこうそう

ヨーロッパ共同体 EC統合の動きを踏まえて,1990年にマレーシアのマハティール首相が打ち出した東アジア諸国 (東南アジア諸国連合 ASEAN6ヵ国,日本,韓国,香港台湾,中国) による経済グループ構想。この構想は東アジア経済グループ EAEG (East Asia Economic Group) とも呼ばれているが,91年 10月の ASEAN経済閣僚会議で,貿易ブロック化する懸念があるとの一部の誤解をとくために,東アジア経済会議 EAEC (East Asia Economic Caucas) と名称を変更し,東アジアの地域協力を強化することにより世界の自由貿易体制の維持強化に寄与すること,貿易ブロック化しないことを明らかにした。 92年の ASEANサミットでは継続協議となり,合意にはいたっておらず,ASEAN内部の調整,アジア太平洋経済協力会議 APECとの関係,アメリカの取扱いなど解決すべき問題が残されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android