アジア太平洋経済協力会議(読み)アジアたいへいようけいざいきょうりょくかいぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アジア太平洋経済協力会議
アジアたいへいようけいざいきょうりょくかいぎ
Asia-Pacific Economic Cooperation; APEC

アジア太平洋地域全域で自由貿易と経済協力の推進をはかる機関。アジア太平洋地域の国・地域における経済の相互依存の拡大,およびヨーロッパ連合 EUなどの地域経済圏の出現に対応するため,1989年に創設された。持続可能な経済成長を通じて生活と教育の水準を向上させ,共同体意識を形成することを目指すとともに共通の利益を尊重する。加盟国・地域は,創設時の加盟国であるアメリカ合衆国インドネシアオーストラリアカナダシンガポールタイ大韓民国(韓国),日本,ニュージーランドフィリピンブルネイマレーシアの 12ヵ国と,タイワン(台湾)チリ中国パプアニューギニアベトナムペルーホンコンメキシコロシアを加えた 21ヵ国・地域。オブザーバーとして,太平洋経済協力会議 PECC,太平洋諸島フォーラム PIFおよび東南アジア諸国連合 ASEANの各事務局が参加。首脳会議および経済大臣・外務大臣参加の閣僚会議を年 1回開催する。これらの会議および高官会議は,1年間の輪番制の議長国が主催。1993年に APEC事務局が設立され,本部はシンガポールに置かれている。APECには多数の委員会や専門会合などが設けられている。委員会は貿易と投資,経済情勢,予算問題など各種の問題を検討し,それぞれ年に 2回開催。専門家が率いる専門会合は,エネルギー,観光,漁業運輸,電気通信などの特定分野の諸問題に取り組む。1994年にインドネシアのボゴールで開催された APEC首脳会議で,加盟国のうち先進国は 2010年までに,途上国は 2020年までに自由な貿易と投資の制度を確立するという目標(ボゴール目標)が掲げられた。翌 1995年にボゴール目標を実行に移すための計画として,大阪閣僚会議で大阪行動指針を採択。2010年に神奈川県横浜市で開かれた首脳会議では,目標に向けて顕著な進展を遂げたことを確認,より強固な地域経済統合を目指す横浜ビジョンを採択した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アジア太平洋経済協力会議
あじあたいへいようけいざいきょうりょくかいぎ

APEC

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