マンチェスター派(読み)マンチェスターは(その他表記)Manchester school

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マンチェスター派」の意味・わかりやすい解説

マンチェスター派
マンチェスターは
Manchester school

R.コブデン,J.ブライトに率いられたマンチェスターの綿業資本家を中心とする 19世紀中頃のイギリスの自由貿易論者をさす。穀物法廃止と自由貿易の実現を目的とした商工業者など実業家たちの集りで,活動の中心は反穀物法同盟 (1838~46) であった。その出発点は自由貿易による市場の確保と拡大にあったが,同時に社会諸階級の利害調和や相互依存関係の深化による平和の維持など,調和的社会観をいだいていた。コブデンの死後はコブデンクラブが創設され,マンチェスター派の経済思想は L.マレット,T.H.ファーラー,F.W.ハーストらを中心として展開された。マンチェスター派の影響は 20世紀の初頭まで残り,広義にはこれを含めてマンチェスター派という。また 19世紀後半のドイツにもその影響は及び,ドイツ・マンチェスター派はドイツ東部の地主や商業資本家を代弁して自由貿易を主張した。

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