マーケティング戦略(読み)まーけてぃんぐせんりゃく(その他表記)marketing strategy

知恵蔵 「マーケティング戦略」の解説

マーケティング戦略

ある特定マーケティング理念のもと、事前のマーケティング・リサーチを踏まえて選定した標的市場に対して、マーケティング・ミックス(製品、価格、販売経路、プロモーションの組み合わせ)を決定し、それをマーケティング活動として実行・管理すること。歴史的に見れば、マーケティング戦略は価格競争から脱却し、いかに非価格競争の手段を用いて需要を創出するかという観点から発展してきた。そのポイントは、まず市場(すなわち、消費者)への対応、つまり市場細分化と、標的市場の支持を得るためのマーケティング・ミックス策定。次に、競争への対応として革新的製品の開発、製品差別化、ブランド・イメージの確立などの方策。さらに、原材料の調達先や製品の販売先などへの対応、加えて、広く社会一般への対応も、戦略策定の上で欠かすことはできない。

(高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーケティング戦略」の意味・わかりやすい解説

マーケティング戦略
マーケティングせんりゃく
marketing strategy

中長期的で大局的なマーケティングの方針。市場を把握,分析し,市場に対するアプローチの戦略を立て,多様なマーケティング活動を行ううえでの指針となる。ある市場でドミナントな地位を占めようとする場合,市場調査,製品開発,物流を含む流通,営業活動,広告宣伝活動,顧客からの声のフィードバックなどを効果的に組合せることで初めて,市場の変化に的確に対応した商品供給が可能となる。戦術がより個別的,短期的目標の達成を目指すのに対し,戦略は個々の部門の戦術の集大成であり,戦術のベストミックスであることが必要となる。

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世界大百科事典(旧版)内のマーケティング戦略の言及

【経営戦略】より

… 経営の戦略的意思決定は,企業をその外部環境に適応させるためのものであり,工場の拡張投資,経営多角化,流通経路の改革などの意思決定が代表的なものである。とくに近年はマーケティング戦略(販売戦略)の重要性が一段と増している。自由経済のもとで生産方式の近代化が進むにつれて,しかも最近の低成長と相まって,企業はつねに過当競争の危険性を有している。…

※「マーケティング戦略」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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