ミカドカガンボ(読み)みかどかがんぼ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミカドカガンボ」の意味・わかりやすい解説

ミカドカガンボ
みかどかがんぼ / 帝大蚊
[学] Ctenacroscelis mikado

昆虫綱双翅(そうし)目糸角亜目カ群カガンボ科に属する昆虫。体長30~38ミリメートル、翅長35~45ミリメートル。日本産カガンボ中の最大種。体色は褐色。頭部は小さく、触角は12節で短い。小腮鬚(しょうさいしゅ)は暗褐色で、触角よりもわずかに長い。胸部背面のV字形横線の前方には濃褐色の太い小字形紋が、その後方には1対の太い斜条がある。胸部側面は脚(あし)の基節とともに淡褐色で、前気門ともはねの基部へ向かって褐色の点紋が3個認められる。はねは褐色を帯び、細い基部は黒褐色。脚は細長く、腿節(たいせつ)末端は黒褐色。平均棍(こん)は基部以外は濃褐色。幼虫山間の渓流付近の砂中に生息し、成長したものは大人の親指ほどの大きさになる。本州、四国、九州に分布する。

[伊藤修四郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例