日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミドガルド」の意味・わかりやすい解説 ミドガルドみどがるどMiðgarðr 北欧神話の人間の住む世界。北の氷雪の国ニフルヘイムと、南の灼熱(しゃくねつ)の国ムスペルスヘイムとの中間に位置し、『エッダ』の「巫女(みこ)の予言」によると、巨人ブルの子らが大地を持ち上げてつくったという。スノッリによると、大地は円形でその外側は深い海が取り巻き、海岸には巨人の住む土地がある。そして巨人の攻撃に備え、巨人イミルのまつげを使って大地の内部につくった砦(とりで)が、ミドガルドだという。ミドガルドの語義は「真ん中にある地帯」で、全ゲルマン人に共通した表現である。なお巨人からこれを守るトールは「ミドガルドの守護者」とよばれる。[谷口幸男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例