ラスパイレス算式(読み)ラスパイレスさんしき

百科事典マイペディア 「ラスパイレス算式」の意味・わかりやすい解説

ラスパイレス算式【ラスパイレスさんしき】

ラスパイレスが1864年考案した物価指数作成の算式基準時から測定した比較時の物価指数をI(/0)1,基準時の各品目の価格をp(/0),基準時の各品目の取引数量をq(/0),比較時の各品目の価格をp1とすると,I(/0)1=Σp1q(/0)/Σp(/0)q(/0)で示される。これは基準時の数量が比較時でも不変であるとして,両時点の価格で評価した総金額比率であり,各品目の価格比率を,基準時のその金額によるウェイト(重要度)をつけて,加重平均したものに等しい。この算式は現在広く用いられている。
→関連項目卸売物価指数生産指数

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のラスパイレス算式の言及

【卸売物価指数】より

… 日本の卸売物価指数は,日本銀行が,日清戦争後の物価高騰などを契機に,1887年から作成している(〈東京卸売物価指数〉,1887年1月基準)。現行の指数(1980基準)は,国内市場向け国内生産品を対象とした〈国内卸売物価指数〉,輸出品,輸入品を対象とした〈輸出物価指数〉〈輸入物価指数〉,およびこれらを総合し,企業間で取引される全商品(土地,建物等を除く)を対象とする〈総合卸売物価指数〉から構成されており,採用品目およびそれらのウェイトを基準時に固定した加重算術平均法(ラスパイレス算式)によって計算され,いずれも毎月発表されている。基準時は5年ごとに変更される。…

【指数】より

…この平均にあたって実際によく用いられるのは,基準年次における支出構成比をウェイトとした加重算術平均算式である。これをラスパイレス算式(〈ラスパイレス指数〉の項目参照)という。これ以外のものとしては,比較年次における支出構成比をウェイトとして用いるパーシェ算式(〈パーシェ指数〉の項目参照),ラスパイレス算式による指数とパーシェ算式による指数の幾何平均をとるフィッシャー算式(〈フィッシャーの理想算式〉の項目参照)などがあげられる。…

【賃金指数】より

…労働者の賃金水準の時間的変化を示す指数。国際的には,労働者の稼得賃金に関する実収賃金指数と,労働力の銘柄(職種など)別契約賃金率の変化を総合した賃金率指数があるが,日本では前者の指数のみが作成されている。日本の賃金指数(労働省作成)は,30人以上の常用労働者を雇用する事業所の月当り平均賃金(税込み)を指数化したもので,定期給与(きまって支給する給与),現金給与総額(きまって支給する給与プラス賞与等特別給与額)および所定内給与について,(1)産業(大・中分類)別,(2)事業所規模別,(3)都道府県別に作成されている。…

【物価指数】より

… 物価指数を算定する方式(物価指数算式)としては,つぎの四つが有名である。(1)ラスパイレス算式(略称L式) pi0を基準年次の第i番目の財・サービスの価格,qi0を同じく数量とし,pi1,qi1をそれぞれ比較年次の第i番目の財・サービスの価格,数量とすれば,L式による物価指数PLは,基準年次の数量が比較年次においても取引されるという考えに基づき,として計算される。(2)パーシェ算式(略称P式) P式による物価指数PPは,L式とは逆に比較年次の数量が基準年次においても取引されたという想定のもとに,と計算される。…

※「ラスパイレス算式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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