ランタノイド収縮(読み)ランタノイドシュウシュク

化学辞典 第2版 「ランタノイド収縮」の解説

ランタノイド収縮
ランタノイドシュウシュク
lanthanoid contraction

ランタノイドの各元素原子半径,および+3価のイオンの半径が,原子番号の増加に従って減少する現象をいう.周期表の57番元素Laから71番元素Luでは,原子番号の増加とともに内殻の4f殻に電子が充填されていく.途中,5d殻との間の反転充填もあるが,だいたい規則的で,70番元素のYb,71番元素Luで,4f 14となって4f殻が充満する.これらの内殻電子は,4f軌道の形状からしゃへい効果が不十分なため,原子番号増加に伴う原子核荷電の増加により,外側の電子はより強く引きつけられて原子は縮小する.この効果により,ランタノイドのHo,Er付近の元素の原子,およびイオンは,大きさが上の周期のY程度になり,両者の性質が似る.また,周期表で隣接する4~6族でもこの効果が残り,これらでも5,6周期の対応する元素ZrとHf,NbとTa,MoとWは,互いにその性質が類似している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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