リイシリ(読み)りいしり

日本歴史地名大系 「リイシリ」の解説

リイシリ
りいしり

漢字表記地名「利尻」のもととなったアイヌ語に由来する地名。場所名、島名、山岳名などとしてみえる。「津軽一統志」に「るいしん」とあるほか、元禄郷帳に「りいしり」とあるのをはじめ、「リイシリ」とする例が多いが(「蝦夷草紙別録」「東遊記」「蝦夷拾遺」「渡島筆記」、玉虫「入北記」)、「レイシリ」ともある(武藤「蝦夷日記」)。漢字表記の「利尻」も早くから用いられている(狄蜂起集書)。「廻浦日記」に「地名リイは高き、シリは島也」と説いており、「行程記」や山川地理取調図が「高島」とするのはそのためである。「津軽一統志」にはシャクシャインの戦について、「松前殿御船頭忠兵衛と申者、六月廿八日にるいしんと申島え参候処、いそやの狄五、六十にてるいしんへ渡り、殺し可申由申候を、るいしんの狄共防き助り、八月四日に松前え帰船仕る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報