日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リオタール(Jean-Etienne Liotard)
りおたーる
Jean-Étienne Liotard
(1702―1789)
スイス出身の画家。パステルおよびエマイユを用いて主として肖像画を描いた。ジュネーブに生まれる。出生地およびパリで絵画を修業し、1736年放浪の旅に出る。ローマおよびギリシア各地を経てイスタンブールに5年間滞在し、さらにウィーンにも足を伸ばした。これら各地で彼は高貴な顧客に恵まれ、教皇クレメンス12世やオーストリア皇女マリア・テレジアの肖像画をはじめ多くの作品を残した。48年パリに帰ってからも肖像画の注文客は減少しなかったが、アカデミー会員となることを拒まれ、このため58年ジュネーブに帰って同地で没した。
[野村太郎]