リシア雲母(読み)リシアうんも(英語表記)lepidolite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リシア雲母」の意味・わかりやすい解説

リシア雲母
リシアうんも
lepidolite

紅雲母ともいう。 K2(Li,Al)5~6(Si,Al)8O20(OH,F)4リチウムを含む特殊な雲母単斜晶系比重 2.8~2.9,硬度2~4。バラ色,紫,灰色。鱗状,柱状,真珠光沢白雲母にも酸化リチウムが 3.3%まで含まれるが,それ以上含まれると結晶構造が変ってリシア雲母となる。リチウムの含有量は 7.7%内外。リシア雲母は白雲母と固溶体をつくる。ペグマタイトに産する。英名ギリシア語の lepidos (鱗状) に由来する。リチウム原料鉱物としてはリシア輝石に次いで重要で,約 22%を占める。

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世界大百科事典(旧版)内のリシア雲母の言及

【雲母】より

…層間にCaなど2価の陽イオンの入ったものはゼイ(脆)雲母と呼ばれている。
[おもな種類と理想化した化学組成]
(1)二・八面体雲母 白雲母muscovite KAl2(Si3Al)O10(OH)2 ソーダ雲母paragonite(ナトリウム雲母,パラゴナイトとも呼ぶ)NaAl2(Si3Al)O10(OH)2(2)三・八面体雲母 金雲母phlogopite KMg3(Si3Al)O10(OH)2 黒雲母biotite K(Fe,Mg)3(Si3Al)O10(OH)2 アナイトannite KFe3(Si3Al)O10(OH)2 イーストン石eastonite  KMg2.5Al0.5(Si2.5Al1.5)O10(OH)2 シデロフィライトsiderophyllite  KFe2.5Al0.5(Si,Al)O10(OH,F)2 鱗雲母lepidolite(紅雲母,リシア雲母,レピドライトとも呼ぶ)KLi2AlSi4O10F2からK(Li,Al)2.5(Si,Al)(OH,F)2
[結晶学的および鉱物学的性質]
 雲母は平板状にわれやすく,六角板状に近い外形を示すが,他の結晶面はあまり発達しない。また双晶していることが多い。…

※「リシア雲母」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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